遭遇ー何犬?ー

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遭遇ー何犬?ー

スキッパーキと共に吠え声がする方向を見つめ警戒をする。

絶え間なく吠え続けている声はより一層大きく聞こえてきたと思ったその瞬間、いきなり茂みから何かが飛び出してきた。何か来るとは思っていたのだが、あまりにも早い。それに対して全く行動が追いつかない。悲しいぐらいに反応ができない。

何も出来ない自分と違いサムは素早い反応で飛び出してきた何かに向かってしっかり反応した上で吠えている。やっとそれらが何か理解したときにはそれらは凄い勢いで通り過ぎた。

緊張がとけるというよりも、予想外で意味が分からない。茂みから遊歩道に飛び出してきたのは二匹のビーグル?だ。通り過ぎる時に犬達とは確かに目があったように思ったのだが・・・そのまま目の前を吠えながら遊歩道を横切り反対側の茂みにまた駆け込んでいった。

一体何だったのだろう?あの二匹は野犬なのだろうか?野犬にビーグルがいるのだろうか?想像していた野犬とは違う犬であったことと、襲いもせずに行ってしまった。野犬であれば向かってくるか避けるかだろうが、あのビーグル達はスルーした。何者なのだろうか?疑問だらけだが、吠える声は遠ざかっている。

いろいろと疑問は残るが、ただ吠えながら走り去ったようなので、とりあえず何事もなかったから良かったのだろう。それにしても絶対ビーグルだった。しかも大きい。たまたまなのだろうが、今まで会ったことがあるビーグルの倍はあった。違う犬種かもしれないが、顔も体もビーグルそのものだった。わかりません。

それにしてもきれいだったので、野犬ではなさそうだけれど、飼い犬であれば首輪ぐらいしているはずだが、首輪はしていなかった。不気味だ。

ビーグルは七色の声を持つと言われているが、今まで聞いたことのあるどの鳴き声とも違うし、何よりも体が大きい。吠えながら走る姿は一匹をもう一匹が追いかけているようにも見えるぐらいだった。

再び歩きはじめるもスキッパーキは警戒を緩めずやや興奮気味にアンテナを張って歩いている。

そこに一人の背の高い軽装の男性が現れ、え?何?どこから来たのと思い男性を見ると、目があってしまい「何か?」と言われたので、今ビーグルがと口にして、思わず猟犬?と声に出してしまった。どこからともなく現れたこの男性が飼い主である可能性が高いと思ったのだが、何も答えず男性は行ってしまった。

答える気がないのなら聞かないでほしいものだ。

猟をしている風ではなかったし、リードさえも持ってないし、遊歩道から来たのではない。だいたいよく考えれば遊歩道がある観光地で立入禁止でもないエリアで猟をするわけもない。

予想外の事が起きのんびり楽しい散歩ではなくなったので、少し休もうと丸太に腰をおろしたが、スキッパーキが警戒を強めた。その時茂みから一匹のビーグルが飛び出してきたと同時にサムが吠える。

サムの表情は引き締まっているように見え一生懸命に守ってくれているかのように吠えている。

サムに吠えられたからなのか、一瞬戸惑った様にビーグルは近づいてきて立ち止まり、何も言わずに反対側に走っていった。其のビーグルが去った後でもサムは警戒していたのだが、暫くすると先程の男性ともう一匹のビーグルが来た。

やはりビーグルは男性の犬の様だが、何故首輪をしていない?それ以前に何故フリーでいるのに当たり前のようにして、まるで誰とも会っていない感じでいるのだろう。ビーグルもそうだが飼い主の態度が妙に気になる。

そして、犬同士は対峙している。なんとビーグルはサムに唸って威嚇している。サムも威嚇されて引かないが、体格差は歴然としていて、スキッパーキより2回り、3回り以上大きい。間違いなく中型犬サイズ。こんなに大きなビーグルはじめて見た。

先程のビーグルとは違う反応をしたので分かった。オスだ。同性はだめだよね。メスのビーグルが先陣、オスが追従らしく、何も言わずに直ぐに男性と其のビーグルは去っていった。

もしかして、野生の動物が来ないように、パトロールをしていたのかもと思ったのだが、そんな事をしていると聞いたことがないと地元の人に教えてもらったので、結局何も分からず、疑問だけが残ったのだが、サムの格好良い「雄姿」に惚れ直しです。

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