まさかの初雪

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まさかの初雪

高速道路を走っていると空の様子が変わってきた。家を出る時には単なる曇り空だったのだが、雲の厚さが増しているような感じがする。
家を出る時に天気予報を確認したのだが、今日は曇りと言う予報でもあったし、見た目雨が降る時の暗くて重いと言う空ではなく、白っぽい空なので、今日は陽が差さず寒い一日になりそうだと思っていた。雨が降ると何かと制限される事が多いので、曇りであればお出かけするには上々。ドッグランで思いっきり遊べる。
お出かけの目的はスキッパーキサムのエネルギー放出。ドッグランで遊ぶ事なのだから。

高速を下り、サムと散歩できる場所で歩き回る。単なる散歩もお出かけしてする散歩はお互い新鮮で少し興奮する。
いつもの事なのだが、サムは散歩が好きだと思う。一生懸命散歩をしている方ように見えるぐらいテッテクテッテクサッサと歩いて行く。
歩き始めは少し寒いが、暫く散歩するとそれほど寒くない。あちこちスキッパーキサムと色々なところに寄りながら、お待ちかねの宿に向かう。
チェックインを済ませ、部屋に入れば、すぐ目の前がドッグランで自由に遊べるという事をすでに知っているサムは少し興奮気味に早く行こう!と目で合図してドッグランに続くウッドデッキへの扉の前にいる。
目をキラキラさせているスキッパーキの要望に応え扉を開けると、サムは迷いもなくウッドデッキへ出て、ウッドデッキのドアの前で、開けてと凝視するかのように待っている。しっかりした、ウッドデッキと同じ作りがっしりしたウッドドアの鍵を開け、ドアを手前にゴロゴロと引くとドアが開いていく。
サムはドアが開き始めた隙間から、まっ黒でしなやかな小さな体を滑り込ませ広々としたドッグランに駆け出していく。

スキッパーキサムは気持ち良さそうに広いドッグランを楽しんでいる。そんなサムに混ぜてもらうかのように、一緒に遊び戯れる。物凄く楽しい時間だ。
そうしてスキッパーキサムと思いっきりドッグランで遊んでいると、冷たいものが顔にあたった。天気予報では今日は曇りで雨が降るとは言っていなかったので、少々残念な感じがしたのだが、仕方ない。そう思い空を見上げると、雨がポツリポツリ降って来たのでは無い。
「雪」だ!フワフワというのかハラハラというのか静かに舞い降りてくるように雪が降ってきたのだ。

空気は冷たいのだが、まさか雪が降るとは思わなかった。雪が降るにはまだ早いと思っていたので、思いもかけない「雪」が嬉しかった。
今年の冬初めての雪。

サムは雪のことなど気にもせず、投げたディスクやボールを追いかけ広いドックランを楽しげに満喫している。サムが楽しそうに走るのを見るのが好きで、何度も投げては追いかけさせていたのだが、いつもの如く暫く続けるとサムは、取りに行ったかと思うと通り過ぎて、ふらっと別な方向に行ってしまった。
でた。飽きた。また少し長くやり過ぎた。このいきなりな変わり具合がスキッパーキだよね。
置き去りにされたボールを拾いに行き、今はドックランの端の方に行っては情報収集しているサムを目で追いながら思う。
相変わらずだ。そうして、いつもの如くドッグランで楽しんでいる間にも、雪は止む気配どころか勢いを増して降って来た。

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