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北温泉旅館を再訪する

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北温泉旅館を再訪する

北温泉旅館に向かってスキッパーキサムとドライブ。
先日というか先月になってしまったが、「遭難」とあえて言うが、サムがいなかったら若しかしたら本当に遭難していたかもしれない。
険しい山で命に関わる事故に遭うのが遭難だが、置かれた状況に対応できない。どうにもならなくなった時もある意味遭難ではないのだろうか?文字の意味だけであれば、難に遭うという事なのだが、意味はより深い。
言葉の意味、ニュアンスの相違はあるが、其程あの時の出来事は強烈で自分の中で「遭難」と言うタグをつけていた。

その遭難した時の恩人の北温泉旅館に此れから行く。

助けていただいた事に対するきちんとした挨拶をしたかったのだ。先月歩いた時とは打って変わってのとても明るい状況下。会えると言うウキウキした気分で、駐車場に車を止めスキッパーキサムと坂道を下りて行く。
前に通った時と時間帯が違うせいか、会う人もなく、長閑な景色に、鳥の声と、水音、そして微かな我々の歩く音。同じ所でもその時の精神状態で、全く違うものに思えるから不思議だ。温かい思いが膨らんで、北温泉旅館の玄関を開けた。

すみませーん。こんにちは。
・・・(シーン)。
すみませーん。
ハーイ。と現れたのは、が、外人さん!?

インターナショナルだ北温泉。1ヶ月で随分と変わってしまったのかな?と北温泉旅館の法被を着て出てきた外人さんに、番頭さんですか?と尋ねると、はい。との事。
つい法被を着ているから、なんとなく浮かんだイメージである単語の番頭さんと言ってしまったが、よくよく考えると番頭さんは偉い。要の人であって絶対違うよね。
ま、ここはお互いよく意味知らずに通じたという事で、外人さんだろうが何だろうが、何故かひるまず?先月道に迷って助けていただいた者でと語る。
意味通じているのか?かなり不安だが、彼に話すしかない。彼に暫く語っていると、助けてくれた張本人!もとい恩人本人が登場してくれた。我々のやり取りを聞いて出てきてくれた模様。

嬉しくて嬉しくて、先日は本当にありがとうございました!とまたありきたりの感謝の言葉しか出てこなかった。美味しいものを食べた時に美味しいしか浮かばないのと同じ、ありがとうをありがとうでしか表現できなかった。表現力が乏しいのだ。情けないけど、思いを伝えるのに「ありがとうございます」が精一杯だった。
外人さんそっちのけで、これ食べて下さいと、これまた手土産としてはありきたりの和菓子系の詰め合わせを渡す。

ご主人は、温泉入っていったらと勧めてくれるも、スキッパーキサムがいるからと断ると、外に繋いでおけばいいよと。(イヤイヤ。サムを一人ぼっちで外に繋ぐなんて出来ません。と内心思いっきり思っていて、ダメダメサムを置いておけない。誰かに連れて行かれたらどうする?誰も連れて行かないだろうけど。人も余りいない時間帯だが、万が一何かサムにあったら・・・と思ってしまう。)それなので丁重にお断りして、北温泉旅館を後にした。

外人さん北温泉旅館が気に入って働いちゃっているのかな?英語でのホームページがあったので、外人さんの中ではかなり有名なのかな。ザ旅館。ザ日本情緒。だものね。また会いにきたいと思いつつ。スキッパーキサムと前に来た時と同じ坂道を歩く。

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