ついにドッグランデビュー

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ついにドッグランデビュー

スキッパーキのサムを、ドッグランで自由に走らせ遊ばせてあげたい。
そう思う気持ちと、フリーにしたら戻ってこないばかりか逃走するのではないのかと凄く不安だった。スキッパーキのサムを全くと言って良いほど信用しておらず、自信のなさからドッグランについてあれこれと葛藤していた。
何でも最初が肝心。初めてだから緑の多い気持ちいいところがいい。ドッグランデビューするかしないかは、その時の状況で対応すればいい。そう思いながら涼と自由を求め、高速に乗って「世界の名犬牧場」へ向かった。

ドッグランもいろいろとネットで検索した。その中で世界の名犬牧場にしたのは、ドッグランだけでなく、広場や散歩コースもあって、ふれあい広場他いろいろと楽しめそうだと思ったからだ。

移動中、スキッパーキのサムは大人しくバリケンの中。
何かあった時に安全という事で、車に乗る際にはバリケンに入って貰っていた。スキッパーキのサムは、バリケンの中に居るかいないかわからないぐらい静か。そしてどんなに長い道のりであっても、決して粗相しない。それなので、スキッパーキは我慢強く意志が強いのだと感心していた。

世界の名犬牧場に着き、散歩グッズやランチグッズを持ち受付へ向かう。
この頃は全然慣れてないので、あれもこれも必要かと思い、遊びに行くだけなのに大荷物だった。

まずは芝生を散歩しながら、全体を見て回った。小型犬用と大型犬用ドッグランがあり、沢山のワンちゃんが楽しげに走り回っていたのを見て、小型犬用ドッグランに近づいて見てみた。
まだまだスキッパーキのサムは無理だなと怖じ気づいていたが、あまりにも楽しそうなので、恐る恐る入ってみることにした。ドッグランに入って、サムをリードにつないだまま眺めていたら、素敵な女性が話しかけてくれて、「大丈夫よ。せっかくだから放してみたら」と言ってくれた。しかし、予測がつかない不安があり、躊躇していると、他の方からも励ましの言葉をかけてもらい、その優しさに後押しして貰って、初めてドッグランでサムをフリーにしてみた。

スキッパーキのサムは、いつもいい意味で期待を裏切る憎い奴なのです。

飼い主さんが素敵な方ばかりだったので、連れのワンちゃんも当然良い子ばかりだった。
可愛い子達の一軍が挨拶しに来てくれて、もぅ感激。
わさわさしている犬まみれウハウハ状態の中…ん?黒いのがいる。珍しいな黒い子。まさかスキッパーキ?!サムに似てる?。黒いから同じ様に見えるんだ。スキッパーキなのかな?サムと同じぐらいだ。うちのサム何処行ったのかな?サムも来ると良いのに、来るわけない…ん?それにしても似ている。いきなりスキッパーキと遭遇?
いやまっ黒な子は他にいなかった・・・サム?・・・サムだ!
と全く予想もしていなかった事をしてくれる。もしかしてヤキモチを焼いてくれていたのかもと思うとうれしかった。

サムがシャイだとなぜ気がつかなかったのか?!(気付くまでには700日は要した)コッソリ側に居るではないか!
サムのあまりにもシャイな行動は、日々いっぱいいっぱいだった為に気づかずにいた。
バカバカバカ。なんてバカ。でも過ぎてしまったことは仕方ない。後悔先にたたず。

心配していたのがバカみたいに、サムは問題なく他のワンちゃんと遊んだり、あちこち自由に行っていた。単独行動・・・やはりスキッパーキは自由だ。

楽しい時もお日様の容赦ない熱気の中では続かない。いくら仔犬とはいえ、既に漆黒のダブルコートだから太陽の愛情一身に受けてしまう。ちっちゃくてもスキッパーキ、暑いよねー。
最終的には木陰と水受け(これがまた丁度良い感じの大きさの上、冷やりしてる)をうろちょろ。何しているのかと思えば水受けに入る。そして伏せっちゃうのですか?
水を汲む人しか使っておらず、他のワンちゃんはスルーしているのに、サム着眼点いい?!自分で考える頭の良さ。これがスキッパーキだ。面白い。

人間を含む動物は、最初のイベントが感情インプットされるので、素敵な方達とワンちゃん達と会えて本当に良かった。良いドッグランデビューになった。

スキッパーキのサムは、逃走などせずあっさりドッグランを後にしたのでした。

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