静かな冬の牧場

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静かな冬の牧場

スキッパーキサムとのドライブは快適で、高速を降りてから通ってきた道は渋滞もなく車を走らせる事ができた。

クローズしているのか、開店前なのか分からないぐらい道路沿いに見える店の駐車場には、止まっている車はなく閑散として人通りもほとんどない様な中に大型バスが止まっているのが見え、乗用車もそこそこ止まっているところが目に付いた。チーズケーキの有名店だ。今では高速のサービスエリアでもよく見る商品だが、お店に来ないと買えない物があるし、ちょっとお茶したり、ランチをしたり、雰囲気も楽しめるからなのだろうか、いつでも多くの人がいる。

更に進むと、満車で、店の入り口の所に順番待ちの人達がいるステーキの有名店だ。リーズナブルで美味しいから常に待っている人がいる。スキッパーキサムとお泊まりをする様になった頃には、サムには申し訳ないけれど車の中で待っていて貰ってよく通っていたが、今では足が遠のいている。
人気店、有名店は人が来るから一年中やっていると言う事もあるのだろうが、季節関係なしに人が訪れると言うのは凄い。遊びに来たからついでに食べる。ではなく食べる為に来たみたいな感じさえするのだから人気店はどこも凄いと思いながら、目的地の牧場に向かう。

スキッパーキサムと一番最初に訪れた時には駐車場入る前から車をとめられるのか不安になるくらいほぼ満車状態で、誘導する係りの方もいたのだが、今はその時の賑わいが嘘のように静まり返って、どこでもご自由にお止め下さい的な感じのガランとした広い駐車場があった。

好きな所に止められるのならばと、牧場の入り口に近いところに車を止めた。混んでいると大概は入り口から離れた場所しか止められなかったので、得した感じがする。車から降りて、散歩の用意をしていると、サムの動きが慌ただしくなる。
まるで、一緒に行くよとアピールしているかの様に目をキラキラ輝かせながら動きを追って来る。
準備ができて、さあ、散歩開始とサムを車から降ろすと、散歩大好きスキッパーキは嬉しい楽しいだろう事が一目で分かるぐらいに、体からエネルギーを放出させてズンズン歩く。

冬の季節に初めて訪れる牧場
とても静かだ。
人がよく歩くであろうところは地面が見えているけれど、それ以外は雪で覆われていて、雪の白さで更に静寂が広がっている様な感じさえする。
動物達も余り動かず寄り添ってひなたぼっこをしているなんとも穏やかな日和。まったりとしている中でスキッパーキサムは元気に歩く。
雪の上だろうと土の上だろうと気にしている様子はなく、テッテクテッテクいつも通り。
誰も歩いていないまっ白な雪の上をスキッパーキサムと共に足跡を残しながら歩く。特別で贅沢なひと時。

乗馬する人を待っているかの様に繋がれている馬とロバが佇んでいる所にサムはいつも好奇心旺盛で近づいて行く、サムとは対照的に、馬もロバも小さな黒いのが近づいて来るぐらいの認識はあるのだろうが、特に反応もない。落ち着いていて、興味は無いといった感じだ。
放牧場には牛もロバもおらず、ただまっ白な雪が積もっている広い場所があるだけ。冬ならではの景色。

ふと立ち止まって空を見上げると、物凄く青く、広く感じる。今まで気がつかなかったのだが、山も見える。違う視点で見ると、知らなかった事が見える。見慣れたところでも新しい発見。新しい体験はいつでもできて、しているのだと気がつく。

サムと一緒に出かけると、とてもポジティブになる。サム効果。でも当のスキッパーキサムは景色に感動している風もなく自分の視線の高さで遠くをみている。その姿も凛々しいと思ってしまう親バカ犬バカサムバカだ。

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