車の中ではウォッチドッグ

サムが車の窓にへばりつく様に外を見ているのは、

単純に外の景色を見ている

動いているものを見ている

ただ見ている

そう思っていた。

考えれば、そんな訳はない。

いつでも自分の役割を果たそうとするスキッパーキ。ウォッチドッグなのだから。

常にパック、ファミリーに対して忠実で外に対して警戒しているのだ。

遊びに行く時に周りの景色を楽しむというのとは、訳が違う。

ウォッチドッグだから景色を楽しむのではなく周りに注意をしている。スキッパーキだから。

他の犬種で性質が違えば、ドライブを楽しむ事ができるのだろうが、サムは番犬なのだ。

周りの景色を楽しむのではなく、怪しいものはないか見張っている。

牧羊犬として家畜を守り、ウォッチドッグとして家族を守ってきたスキッパーキ。

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サムはスキッパーキだから、一緒にいて遊んでいない時には異変にいち早く対応するべく注意をしている。

バリケンの中に入って車で移動している時には分からなかった事だ。

事故などあった場合にはバリケンに入っていると守られるが、そうでない時にはサムがどうなるか分からないので、安全のために車で移動する時にはバリケンに入れた方がいい。

最初サムを迎入れる時に教えてもらい、その通りだと思って、車で出かける時には必ずバリケンに入れていた。

全てはサムの身の安全の為。サムの為だと思っていたから。

でも、本当はサムを見た時から、赤ちゃんのサムを抱っこしていたかった。

キャリーバッグやスリングバッグに入れてサムを傍らで感じていたかった。

安全第一。サムの身を守る為にはバリケンの中にいるのが一番良い。

サムの為だと言い聞かせて、触りたい気持ちを、構いたい、傍にいたい思いをサムをバリケンに閉じ込めるのと同じ様に閉じ込めてきてしまった。

しかし、犬との付き合い方はそれぞれの付き合い方があり、いいと言われた付き合い方も、それが全てではないと気づいた。

時間はかかったけれど、バリケンという囲いからサムを解放する事で、気持ちの開放も少しずつされて、お互い歩み寄れる気もした。

ただ、今迄はバリケンの中にいたから見えなかった世界が、バリケンという囲いを取り払ってしまった事で、サムは車の中でもウォッチドッグとして頑張ることになってしまった。

バリケンに入っていれば見える所は限られ、動きも制限されるので、大人しくしている。

見えなければ、気がつかない事も多い。

警戒をする対象が減るわけだから、サムにとっては、スキッパーキなどのウォッチドッグにはバリケンという限られた空間にいる方が本当は楽なのかもしれない。

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