サムとビッグサイトで再会

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サムとビッグサイトで再会

東京ビッグサイトでのFCI東京インターナショナルドッグショーの日が来た。
スキッパーキのサムに会える日。なのにテンションは超低く、どんよりとした感じのまま会場に入った。

1週間自問自答の日々だった。
サムのあの反応。あの態度。忘れられているのか?。一緒に暮らした半年が無かった事になっているのか?
「半年」一緒に暮らしたパックより、「半月」一緒に居たスキッパーキ達、トレーナーさん達とのパックがいいのか?
一緒に過ごした月日は全く関係ないのか?

良きパートナーではなかったかもしれない。それにしても一度も顔を見ようとさえしないスキッパーキサム。完全シャットアウト状態。もうどうしようもない。どうにもできない。
スキッパーキのサムとはやっていけないのではないのか。あの出来事が脳裏に浮かぶ。ほぼフラッシュバック状態。心が折れそうだ。何度も何度も思い浮かべ悪い方悪い方に考えていく負のスパイラルに嵌っている。

1週間前のサムに会う前までは逢いたくて逢いたくて仕方がなかったが、今は会うのが怖い。

人混みの中、重い足取りで控えに行くとバリケンに入ったサムがいた。期待はしていなかったが、ここでもし、喜んでくれたなら、受け入れてくれたなら悩みも一気に吹き飛び明るい明日を見ることが出来ると。わずかな希望も持っていた。結局期待していたのだが、現実とは、かくも残酷である。
やはり目を合わせない。と言うよりも、あからさまに顔を背け絶対に見ようとしない。
バリケンに入っている他のスキッパーキは覗き込むと目を合わせてくれて、動向を伺い。触らせてもくれる。

これでやっていけるのか?マイナススタートであれば、他の犬とゼロスタートの方が良いのではないか?真剣に思った。

聞いたことがない。飼い主の事を忘れるという事。忘れられたという事を。
ネットでも調べた。犬に詳しい人にも聞いた。だが、答えは全て同じ。
「忘れるわけがない」

では、このサムの反応は一体何なのだろう・・・
結局負のスパイラルから抜け出せずに更にドツボにはまった。

思いはどうであれショーが始まる。はっきり言って気力がない時には何をしても楽しくないし何を食べてもおいしくない。だから、ショーなんてどうでもいい心境だ。

珍しい犬種、素晴らしい犬が山のようにいるのに、ショーを見たいとか、犬可愛いとか思う気持ちすら湧いてこない。
ただ見ているだけ、正確には見ているようで見ていない。気持ちって大事だ。

何はともあれスキッパーキの出る1Gのリンクに向かう。

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