サムの口にできモノ

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サムの口にできモノ

スキッパーキサムと遊んでいて、アレ?と気がついた。
サムの口のとこにプクッとしているものは何?
銀玉鉄砲の玉が入っているぐらいの大きさだけど、何?

体の異変があると過剰反応してしまう。

見落としていたり、大した事は無いと思っていてた事が、実は重大な事だった事があったからだ。一度だけではない。何度もだ。
見落とし、見過ごしした後は必ず後悔がついて回る。未だに後悔が色濃く浮かぶ事がある。後悔しても何もなく、何も戻ってこない。唯一同じ過ちはするまいと思う事ぐらい。

ボクサーのジョンは癌で亡くなった。それが天命だったのかもしれないが、その当時犬が癌になるという事は一般的に知られていなく、またジョンの癌は何癌だったのか分からないが、かなり珍しい癌だった様だ。大変いい獣医さんに巡り合えたお陰で、いろいろと手を尽くして頂いたのだが、ジョンの異変には全く気がつかなかった。前提として犬は丈夫な生き物で、今とは全く別の在り方、接し方だった。
外飼いだったこともあるのだろう。接触する時間もスキッパーキサムの何十分の一いや、何百分の一程度だった。それだから余計気がつかなかったかもしれない。

ジョンはいつも変わらず、賢く大人しい為分からなかった。そしてジョンに憑りついた癌はだんだんと目に見える程大きくなったが、デキモノが出来たぐらいにしか思ってもいなかった。ところが僅かだか盛り上がって来たと思ったら、段々と更に大きくなった。
ボクサーの筋肉質のボディに不似合いなデキモノはゴルフボール大から野球ボール大もう記憶も定かではないがソフトボール大ぐらいになっただろうか。
それでもジョンは何一つ変わらなかったから大きなデキモノができた程度の甘い認識だったのだ。

狂犬病の注射をした数日後に先生を訪ねて行った。もおそらく脂肪だろうと言う話だったので、注射で中身を抜き取れば大丈夫なはずだったのだが、2本目の注射で抜き取った時におかしいと。至急検査を受け直し、その後出た結果で癌だと分かった。
それからは癌との闘いだ。あまりにも壮絶過ぎて思い出すと今でもジョンの辛抱強さ、忍耐力の凄さに敬服する。

だから小さな事でも、それを見逃したくなかった。サムの口元の丸いパンパンのイボの様なモノを。

何かで引っ掻いて傷になっただけかもしれない。
単にオデキがたできただけかもしれない。
何て事ないないかも・・・
サムは特に気にしている様子はないが、ジョンの事があるので、ただ様子を伺う事はできなかった。
何でもないと思うのだが、見つけてしまった。気がついてしまったのだ。そうすると気になって、気になって仕方なくなる。ネットで調べると余計不安が増してくることしか書かれていない。何かあって後悔するよりは、お医者さんに見てもらって、なんでもなければそれで安心する。安心の為にサムお医者さんに行こう。

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